見よ、このヒップ。
ジャケットからもセンスの良さが漂ってくるってものでしょう。
大々的にクレジットされていないので見逃しがちですが、これはNGラ・バンダのリーダーとして世界に知られるホセ・ルイス・コルテス(通称トスコ)によるユニット。 タイトルはもちろん「アフリカの曲をサルサにしてみました」ということなのでしょうが、サルサの顔の裏に、土臭いアフロの匂いを感じさせる、まさにどういう音楽とは一言で説明しにくい現在のキューバ音楽そのものを表現した言葉という感じもします。
これを手にした2001年頃は、特にセサリア・エヴォラの歌で知られる 3.angola がお気に入りで、DJでもよく使用しました。当時流行していた「ティンバ調」の楽曲の中では群を抜いてクールな印象をフロアに与えていたことが思い出されますが、このアルバムでボーカルをとっている女性がキューバの人気歌手ハイラ・モンピエ似の節回しのため、ハイラの新曲かと質問されることが少なくなかったようです。
ミリアム・マケイバの代表作である 6.Pata pata もいまだにDJの時によく使う曲ですが、これは何と日本のフォークダンスの楽曲として知られてもいるとか。どちらにしても、鋭いトスコのアレンジで、一曲ごとに異なる顔を見せてくれるのが楽しい1枚です。
個人的にNG名義の作品のものよりも、そうではないトスコの仕事のほうが可能性を感じさせてくれるので好きです。 同時期に LUSAFRICA からリリースされている美貌の女性歌手 OSDALGIA のアルバム「LA CULEBRA/262862/1999」もトスコが手がけていますが、これも非常に充実した内容。なんとプロデュース能力に優れた人なのだろうと、その幅広さには感服。
NGが日本に紹介され始めた頃の印象しか持っていない人ほど聴いていただきたいものです。
(DJ KAZURU ★ 2004/12/13)
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