キューバ音楽はあまり知らなくて・・・という人に 私がよく勧めるのは、実はこんなミクスチャー・キューバン作品だったりします。
オスワルド・チャコンは、キューバのトップ・オルケスタ「バンボレオ」 初期のリード・ボーカリスト。 それだけでなく、同オルケスタの今も称えられる名作 「Te gusto o te caigo bien」にて、作曲の才能もあらわにしています。 ビジュアル的には地味な印象の彼ですが、歌えて、曲が書けて 音楽的に多彩なアイディアを有している、それがチャコンなのです。
イギリスに拠点を移し、ソロ活動をスタートさせた彼は レゲエもラップも、感性のおもむくままにファンキーに取り入れ オリジナルのキューバ音楽 「Timbaの進化形」 を発表してきました。
キューバ人が国外、それもヨーロッパで音を作ると 国内では、なしえなかったであろう、見事なMIXサウンドを 作り出すということがままありますが、チャコンは その、典型的にして、最高峰の例。
キューバ音楽といっても、本当に土臭い雰囲気のものから 都会的なものまで、カラーも色々ですが、チャコンは完全に「都会派」。 海や風を感じる音ではありません。そのクールでジャジーな チャコン・ワールドがたまらなく魅力です。
「スペシャル・ゲスト、アフロ・キューバン・オール・スターズの ポロ・タマヨ」とかも書いてありますが、誰がゲストでもあまり影響が感じられない、 それだけチャコンのコンセプトが明快なのです。
今回、 比較的新しいものを、ということでセカンド・アルバムに当たる 本作を挙げましたが、ファーストアルバムの「Salsa Afro Cubana」 (EUCD 1658)も衝撃的に恰好良い(個人的にはこちらが、より愛聴盤)。
「ラテン、サルサの中でもクールで大人っぽい音が好き」 というあなたが、チャコンを聴いていないとしたら、 これは、相当勿体ないことです。
(DJ KAZURU ★ 2004/12/20)
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