キューバ音楽に惹かれる人の多くは、 「キューバ音楽を知ってしまった今、他ジャンルの音楽では 物足りないね」などと、感じたことが、恐らく一度はあったでしょう。 しかし、一方で「もちろん、キューバ音楽以外にも、良いものはあるよ」 という正しい見解も、携えているはずです。
では、何ならばキューバ音楽以外でも楽しめるのか。 ひとつの回答はGUACOにあり。 ベネズエラにおいて「GUACOはもはや一つのジャンルだ」とも 言われていますが、驚くほどの独創性に満ちたラテン音楽が そこにはあるのです。
サルサなのかと問われればYESでもあり、NOでもあります。 はぐらかそうと思っているのではありません、ただ キューバの、特にティンバと呼ばれる音楽が腰に響く人にとっては GUACOの織り成す、ありとあらゆるバリエーションが 印象に残ること思います。
ミュージシャンの個々の技術が優れていること。 常に複数在籍している、フロント・ボーカリストが 高い水準の個性と実力を誇ること。何より 幅広い音楽性(すべてが「〜風」ではなく、グアコ・テイスト)において GUACOは世界のミュージシャンが一目をおくバンドでもあります。 専門家の羨望を集めながらも、ポップ・ミュージックとして 楽しめる作品を生み続けることが出来る、これは 本当に奇跡的なことではないでしょうか。
4, 7, 9 は個人的にDJにおいても使用経験があり 好きな曲ですが、全曲それぞれに思わずうなってしまう部分に 出くわすので、それぞれの楽曲に甲乙をつけるのは 大変難しい作業です。
GUACOの名称の由来や、プロフィールですが 今回紹介したアルバムは幸いにも日本盤がリリースされていますので そちらの解説を参照していただくと良いでしょう。 また、併せて「エキリブリオ」(BNSCD-716)を買い求めると1970年代から 脈々と続くスーパー・バンドの、歴史の片鱗に触れることができます。 この「エキリブリオ」も、「ガロパンド」と同じくらい 刺激的な作品です。どちらを手にしても、損はありません。 GUACOというジャンルを、あなたが今まで知らなかったとしたら きっと、雷に打たれたような気持ちになることでしょう。
(DJ KAZURU ★ 2005/02/14)
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