Olvídate Del Resto 027
LA PVC
2004 DLN
1.Prólogo
2.Dile a Tus Amigos
3.Hola
4.Medicamento
5.Dime Qué Vamos a Hacer
6.Olvídate Del Resto
7.¿ Dónde Estará isabel?
8.¿ Có mo Que No?
9.La Timba
10.Ven Con Nosotros
*隠しトラック有


ティンバの発展形がここにひとつ。

妙な言い回しになってしまいますが
もはや「キューバ音楽」は、キューバ人以外の手によって
進化していくさだめなのでしょうか? と思わせるほど
キューバ人以外の人材でキューバサウンドを操る人が
多くなってます。

PVCはプエルト・リコのバンドということですが、
彼らのサウンドは、一般的にイメージされるような
プエルトリカンの音楽ではなく
キューバの、しかもティンバのスピリットにあふれてます。

しかし、プエルトリカンの作品と言われると納得してしまう
側面もある。つまり「キューバ人ではない、外国人の
息のかかったキューバン・サウンド(変な言い方ですが。。)」という
感じが確かにある。
外国人でなくてはありえなかった発想が
詰め込まれているってことですが
それはとても、いい意味で、です
(逆に、キューバの音楽を
生活そのものとして身体に蓄えているからこそできる
キューバ人の音楽というのもあるわけですが、どちらにしても
出来がよければ長所になるものです)。

キューバ音楽を好む人には、伝統的なサウンドの中にこそ
美しさを感じ、あたかもキューバの風景が広がるような
音楽を「魅力」とする人がいるわけで、そういった人にとっては
キューバ音楽の良さは一定のものとして、いつも
隣にあるものでしょう。
しかし、一方で「次々に姿を変え、驚きをもたらしてくれる
キューバ音楽」を「キューバ音楽の魅力」と捉え
愛する向きもいるわけです、私のように。

だから
「2000年あたりがピークだった」 と、まことしやかに
囁かれる「ティンバ」と呼ばれる音楽は、私の中では
もっともっと、変化すべきものでした。
もっと強烈に、もっと複雑に
私の耳を翻弄してほしいと、願いながら接していたような
ところもあったのです。

このアルバムを聴いて、
あの頃に、もっともっとと
望んでいた時に、耳にしたかった音楽は、
こんなサウンドだったのかも知れないと、ちょっと思えました。
純粋キューバ発信のものの中にも、当然クオリティの
高いものは「ピーク」以後も出現したのですが、個人的には
PVCのように、キューバ国外の香りが混ざったセンスを
期待していたところがあったようです。

とんでもないスピードで展開する演奏に、かつての
パウリートやイサックの名曲に通ずる、「うっとりするような
メロディ」が隠されているわけではありません。

ひたすらに、とんでもないスピードで繰り広げられる
演奏はまるで急流の渦。
これに巻き込まれてください、圧倒されちゃってください。
ティンバがキューバにおいて「やりつくした」ものに
なった以後も、こうしたものが、各地で生まれ続けていると
いうことを感じてください。

何度も言いますけど、これプエルト・リコ産なんですよ。
あなどれません、本当に。

(DJ KAZURU ★ 2005/06/06)

▲INDEX

 

本サイトに掲載されている画像・文章等、全ての内容の無断転載を禁止します。
Copyright © 2005 TimCuba All Rights Reserved.
No reproduction or republication without written permission.

TIMCUBA