PA' QUE SE ENTERE LA HABANA 045
DAVID CALZADO & LA CHARANGA HABANERA
1996 magic music C-0019-3
1 Nube Pasajera
2 Amor De Subasta
3 Super Turística
4 Dime A
5 El Temba
6 Yuya La Charanguera
7 Que Te Lleve Otro
8 A Mí Me Gustan Todas
9 Homenaje A Los Cabilleros
10 Siempre Estarás En Mí


いわずと知れた、キューバでもっともポピュラーな
オルケスタのひとつがチャランガ・アバネーラ。

このアルバムは、元気で、明るく、少し猥雑な
チャランガ・アバネーラの魅力が全開。
リリースされた時期と照らし合わせれば、これが
いかに衝撃的に新しく、本格的なティンバの時代の到来を
告げたものだったかということも、お察しいただけるでしょう。

この作品のリリース当時、
ふりそそぐ太陽の光のように明るい音を聴いた瞬間に
ぐっときたのです。
探していた音が、ここにあったという喜びを得ました。
あっけらかんとしたムードと、腰に来るビート感の
共存がたまらなかった。
何より、フレッシュさもアピール・ポイントのひとつにしていた
彼らのテンションの高さに、興奮させられたものです。

このオルケスタの看板歌手だった
ミシェル・マサは、当時誰よりも輝いていました。
リーダーのダヴィ・カルサードという人は
こうした、才能を見事に料理できる人なので、使い勝手の
難しい、大型の人材をとても上手く生かしました。
彼を筆頭に、個々のメンバーは実力は一定以上で
ありながらも、勢い重視のように思えるかもしれませんが
ダヴィのコンセプトと統率力があればこそ、ここまで
クオリティの高い作品になったのです。
キューバの風俗とキャッチーなメロディ、そしてティンバらしい
アレンジが見事に融合した♯5は
彼らの代表曲であると共に、キューバのティンバを代表する一曲です。
もちろん、他の収録曲も、劣らぬ出来で
思わず一緒に歌いたくなるポップな曲だらけ。

以前、松任谷由実が
「長年日本のポップス界を見てきて、
シンガー・ソング・ライターという人たちも山ほど出てきたわけだけど
自分には『中央フリーウェイ』という名曲を作ったという自負がある。
あれほどの曲を、書けるなら書いてみろと思う」
と、いうようなことを言っているのを
雑誌か何かで見たことがあります。
メロディの普遍性、親しみやすさ、日本語の歌詞、ポップスとしての魅力
すべての均衡が保たれたという意味でも、純粋に「いいな」という感覚的な
部分においても、『中央フリーウェイ』は日本のポップス史に残りうる
名曲だと思います。

ダヴィも思っているのではないでしょうか?
「"TEMBA"ほどの曲を世に出せるなら、出してみろ」と。

(DJ KAZURU ★ 2005/10/10)

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