Te Gusto o Te Caigo Bien 047
BAMBOLEO
1997 Ahi-Nama Music 1003-2
1. Intro
2. Te Extranare (Si Supieras)
3. Te Gusto O Te Caigo Bien
4. Circulame
5. Bamboleo Y Melaza
6. Flor Perdida
7. Extrana Sensacion
8. Soledad
9. Bemba Colora (Kimbara Kimbara)
10. Inmadura
11. Pinceladas Propuesta
12. Exit

「バンボレオはキューバを代表するトップ中のトップ・オルケスタ」
そういう称号は正しいけれど、2005年現在の活動にスポットをあてて
その評価を受け止めることは浅薄でしょう。
デビューからそれまでの軌跡、
すべてをたどればこそ、なぜトップと言われるのかも理解できるというもの。

美しく攻撃的な音楽を、ラサロ・バルデスが
キューバのミュージックシーンに突きつけた、その証拠のように
存在するバンボレオのデビュー・アルバム。
まずは、この「Te Gusto o Te Caigo Bien 」を聴かなければ
バンボレオを味わったことにはなりません。

本作品は、音楽もビジュアルも衝撃的なオルケスタの
登場を世に知らしめたわけですが
ボーカリスト、作曲家としての、オスワルド・チャコンの魅力が
詰まっているという意味でも重要といえるでしょう。
バンボレオ脱退後、イギリスにおけるソロ活動の内容からも察せられるように
チャコンのジャジーさは、ラサロ・バルデスのイメージする音に
非常にフィットするタイプのセンスです。
頼りなげなルックスに反して、革新的なユニット・バンボレオの屋台骨を
支えた人物のひとりであったわけです。

表題曲である♯3は、チャコンの手による曲ですが
その美しさを耳にするにつけ、才能と才能の融合から
生み落とされた「新しいキューバ音楽」への興奮を覚えはしないでしょうか。
このたった1曲からでも、音楽の階段をひとつ上っていこうとする
バンボレオの意志は明確に感じられるのです。

もちろん、表題曲に限らず、全編がバンボレオ調というしかない
COOLさで貫かれています。

例えば♯8(TIM★CUBAマニアの耳にはジョージア・Cのヴァージョンが
聴こえてくるかもしれません)、こうした曲であっても、他の
キューバのオルケスタでは絶対なしえない意外性のあるやり方で
美メロ度を高めることに成功しているのです。

このアルバムが録音されて10年近く経った現在ですが
その歳月にあわせるように、キューバ音楽自体が
進化していったのかといえば、甚だ疑問です。
これよりも美しく、新しさに満ち、人々を魅了する音楽は
いくつもないようなのです。
つまり、本作品は、バンボレオというユニットの
奇跡的な仕事のひとつとして
永きにわたり、語り継がれる名盤だということです。

(DJ KAZURU ★ 2005/10/24)

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