Es Mi Tumbao 052
Carlos Caro Y Sabor Cubano
2005 ENVIDIA A70 7117
1. Tema
2. Tu Mentirosa
3. La Chevere
4. Es Mi Tumbao
5. Silencio
6. Que Paren El Mundo
7. Pásame La Bora
8. A Mi Barrio
9. Cuprá , Cuchá
10. Como Baila Anacleto
11. Déjame Vivir En Paz
12. Aimendra

カルロス・カロ率いるチャランガ編成のバンド、サボール・クバーノのセカンド・アルバムを紹介します。

この作品の聴き所は、バイオリンの音を中心にしたティンバ・テイストのサウンド。
これが意外と新鮮で気持ちが良いのです。
チャランガ編成は、バイオリンとフルートが入っていることが特徴で、取り上げる曲も CHA CHA CHÁ や DANZÓN が一般的。
キューバでは大御所のオルケスタ・アラゴンをはじめ、現在もいくつか名門バンドがその歴史を継続していますが、
この編成のまま、ティンバ・テイストを全面に押し出したバンドは初めてではないでしょうか。

カルロス・カロが生まれたのは、1965 年のハバナ。
7歳からバイオリンを学び18 歳で音楽学校を卒業、音楽教師もしつつ、
Orquesta Tipica Loyola をスタートとして、トラディショナルな様々なバンドに加入します。
そして、1997 年に自身のバンド Sabor Cubano を結成。
2000 年にはデビュー・アルバムを発表しています。

2作目となる、本アルバムは全体的に好曲ぞろい。

まず1曲目、Sol Y Soul( Disc Review ♯48 参照) のナンバーにも通じるシンセの響きが印象的なバンドのテーマ曲。
2曲目の Tu Mentirosa は憶えやすいメロディが印象に残るナンバー。
5曲目、有名曲ですが、DANZÓN のスタイルでの Silencio。
じわじわと盛り上がっていく6曲目。
都会的な哀愁を感じる 9曲目のCHA CHA CHÁ 。
このあたりが、中でも気にかかるところです。

ティンバ・バンドには不可欠のホーン・セクションの部分はバイオリンが優雅に担当し、リズム・セクションもティンバル、コンガ、ボンゴ、ギロというトラディショナルな編成。
ところが、ベースとボーカル、曲調はティンバ寄りになっているのです。
この独特の融合が他にはない味わいになっています。

キューバ音楽の伝統を踏まえた上で、新しい音を加えていくことは多くのミュージシャンが挑戦していますが、成功者は一握り。
また一つ、そんな挑戦をするバンドが生まれたことを歓迎したいと思います。

このアルバム、2005 年の掘り出し物の1枚といえます。

(福田 カズノブ ★ 2005/11/28)

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