ペルーのバンドです。 かなり趣味の良いレア・グルーヴで、 Funk,Latin,Jazz,Chicano Rockの美味しいところがたっぷり。
私の 実に偏見めいた考えが露呈してしまって 悲しいことですが、ペルーからこういったサウンドで 勝負をかけていたバンドがいたということには、少なからず 驚きがありました (もちろん、先に挙げた、ファンク等の要素はすべて 彼らのオリジナルでも、ペルー・ルーツの音楽でも ないわけですが)。
8年ほど前に友人の薦めで初めて耳にしたときは やはり、当時CD化が進められていた SAPO などの チカーノ・ロックを彷彿としたものですが Black Sugar の いっそう気だるいムードに完全にやられたものです。 もし男性ボーカルでなく、「お洒落系女子」を 歌い手に起用していたなら フリー・ソウルの名盤にもなったかもしれない それくらいの勢いを感じました。
ラテン系の耳には♯2あたりが 心地よいものですが ファンキーな曲にも聴き所が多く、♯9などは 大好きなテイスト。さらに 聴き進めていくと、私などは 爽やか系の曲調に、よりひきこまれます。 例えば ギターのイントロだけでもぐっときてしまう♯6 また、♯7に至っては「コドモにはわかるまい」的な ソウル色満開。必ず夜にお聴きいただきたい。 この美しさに涙を誘われるでしょう。
特に、新しいことを試みているとか そういったことはないのですが 聴き手のツボを心得ているというか、何かと ぬかりがないバンドです。 やや妙に感じる効果音は、いかがなものかと思いますが それも時代をあわせ思えば、問題ではないでしょう。 随所にアクセントとして抜群の 存在感をもたらしているオルガン効果は絶大ですし、 ブラスのバランス感もよく、総じて 「歌もの」としてきっちり成立しているのも魅力です。 つまり恰好いい音なのです。
なお。本アルバムは 1970年リリースのデビュー・アルバムと 1972年リリースされたセカンド作からの抜粋ベスト盤。 それだけに、とても 濃い内容となっています。
(DJ KAZURU ★ 2006/01/23)
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