本作がリリースされたのは1997年。 ティンバというジャンルが発生する以前で サルサ・ドゥーラと呼ばれた音楽の ひとつということになるでしょう。
それから約10年がたち ティンバの名曲と呼べるものも多く登場し シーンが一段落したいま 「ティンバ・クラシックス」なるものを 挙げるとしたら、このソン・ダマスのデビュー・アルバムを はずすわけにはいきません。
女性のみのオルケスタ。 可愛らしくもありながら、音は極めて骨太。 はでやかな音作りがとても素敵です。 更に限定して言うならば ♯4、これこそティンバ・クラシックの名に 相応しい名曲なのです。 印象的なイントロ、可憐な女心を 歌い綴る前半部分、そして うって変わったように中盤で 一気にGroovyに変化するテンション。 後半部分にいたっては、誰もが 腰を揺さぶらずにはいられなくなる うねりの詰まったアレンジです。
名プロデューサー、ホセ・ルイス・コルテスや クリマックスのヒラルド・ピロートの手が 入っているときかされれば、納得の仕上がりでしょうが 彼女達の技量もなかなかのものだと思うのです。
どの国のアーティストも考え付かないような アイディアで、進化していった 来るべきティンバ時代の幕開けを感じさせるものが この作品にはあります。 ソン・ダマス時代は来日公演も行ったものの 国内外ともに、その評価が 大きく化けていったということはありませんでした。 しかし、この一枚に限っていえば間違いなく 相当、魅力のある作品です。
なお、日本盤リリースにあたり 「朝まで踊って!」なる邦題がつけられています。
(DJ KAZURU ★ 2006/04/10)
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