フラメンコ・ポップというふうに 称されることの多い、ケタマですが 単純に美メロが得意な”カルモナ・ファミリー”だと 認識しています。
確かにギターを強調する音作り。 歌い方にも、フラメンコ特有の節回しが 入りますが、まずは 美メロ・メーカーとしてのレベルの高さが 際立つユニット。 何年も歌い継がれてきたかのような 名曲級の曲をとてもたくさん発表しており シンプルで、素直に美しい、と 感じることの出来る楽曲ばかりです。 ♯11など、スガシカオか? みたいな ムードさえありますし、意外と民族的ではない 部分に目を向けて聴いてみると 面白い発見があったりもするでしょう。
このアルバムだけでいっても ♯2、♯4はYANUELのサルサ・ヴァージョンを用い しつこいくらい、私も DJ時に使用していた時期があり とても気に入っている曲が収められているわけですが どう聴いても、これは 元ネタの勝利なのですね(もちろん、これらの楽曲を 選択したYANUEL君もセンスが光るわけですが)。
この切なさ 痛々しさ、はかなさ そして情熱。
たまらなく胸をうってきます。 なんという詩的腕力でしょう。
誰がカヴァーしても、ある程度 その効果をもたらすような仕組みが 曲にあるとしか思えません。
♯9に至ってはあのカエタノ・ヴェローソが参加しており ますます名曲ぶりを増している次第です。 期待感の高まる導入部、 サビ部分は言うに及ばず、 間奏のギターも含めて、曲の細部 すみずみにまで気が行き届いているというか 文句のつけられない出来です。
ここまで紹介しても キューバ音楽しか聴かないよ、という方も ここには訪れていらっしゃいますでしょうか。 では LA CHARANGA HABANERA の代表曲の一つである 「NO ESTAMOS LOCO」が、このKETAMAの カヴァーであると言うことを付記しておきます。 チャランガ・アバネーラでダンスを楽しんでいる向きにも 必須のアーティストだということです。
(DJ KAZURU ★ 2006/05/01)
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