ソノーラ・ポンセーニャに関しては 私が語りつくせるものでもないし また、これだけ活動歴がながいと 時代によっては、音楽スタイルも 変化があって当然。 今回は、1981 年の作品を紹介させていただきます。 なぜなら 私が推す、ソノーラ・ポンセーニャは 圧倒的に、1980 年前後だから。
♯1 のイントロ部分だけで 「かーっ、超COOOOOL!!!」 と叫びたくなる 本作はもちろん、いいのですが 1981 年の ”Unchained Force” ( JMIS 1077 INCA ) も甲乙つけがたい魅力にあふれています。 ジャズの名曲 を取り上げた Nica's Dream なんて いつ聴いても泣きそうなくらい良い ( なぜ、”Night Raider ” のほうを 選んだかといえば、♯8 がアダルベルト・アルバレスの 有名曲でありまして、ここをお読みのキューバ音楽ファンには 馴染むかな、というくらいの理由です。どちらも お持ちでない方は、手に入りやすいほうを お求め下さいませ)。
どの曲を聴いても パポ・ルカのピアノが魅力的で それが、このバンドの特色であるわけです。 まずは上品。 けして ガシャガシャ主張して弾くわけではないのに 聴き手の心、ど真ん中を貫く音を出します。
そんな演奏者が中心になっているからか ソノーラ・ポンセーニャには ものすごく色気があるのですね。 それも ねっとりしている色気でなくて 乾いた音にのって出てくる色気。 これが同時期のキューバ音楽だと もっと湿度が高い。土着っぽいっていうか。
私が、ラテン・ラウンジな DJをするときに、欠かせないと思うのが まさに ♯5 のようなグルーヴです。 トランペッター Dave Burns の曲ですが 美しすぎるメロディに、魅惑的なベースライン もちろん、冴え渡るピアノ、で 全体的に、すごく洗練されたムード。
これは、レア・グルーヴ的見地からも 最高の一曲かと思われます。
というか、レア・グルーヴな人々の方が こういった音を敏感に扱っているやも知れませんね。 大人の恋愛小説のように 複雑で美しい世界に誘ってくれる 音楽がここにはあります。
(DJ KAZURU ★ 2006/05/15)
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