セニョール・ココナッツによるYMOのカバー。 つまりは、ラテン的解釈による イエロ・マジック・オーケストラのカバーであります。
ファンの間では 「いずれ形になる」であろうことは 分かっていた。 そして実際耳にしたときも 予想を大きく超えるものではなかったはず。 セニョココがいつもの調子で 今度はYMOを演っている。 そんな感じ。
でも 何なんだろうね、この毒の強さは。 昔、あれほど聞き込んでいた YMOの親しんだ曲の オリジナル・ヴァージョンが 思い出せなくなりそうなほど。
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YMOのラテン的解釈と言いましても 結局 セニョココ的解釈ですから 普段、私たちが口にしている部分での ラテンからすれば とんでもなく酔狂。 もともと、セニョココは「民俗音楽に対する 畏敬の念」なんてどこ吹く風で ラテンのリズムをエレクトロニカルに 持ち込んできたわけで、そこに YMOという 恰好の材料が加わったということですね。
実は、かなり計算高い方法論で 取り組んでいるのでは、とも思うのですが そのようなことは、まあ 深読みしても何にもならないでしょう。 ともかく 音楽ってこういう洒落が効いてる所が やっぱりいい、と感じるような仕上がり。
解説文には YMOのファースト、”ソリッド・ステート・サヴァイヴァー” からの曲が主ではなく 散開記念アルバム”サーヴィス”からの 曲がチョイスされていることを 「選曲の意外」と書かれていますが ”サーヴィス”は個人的に ものすごい傑作だと思っているのと 地味な評価のではあるようですが ”BGM”も大好きなアルバムなので セニョココ氏の選曲にはとても納得がいきます。
YMOのメンバーお三方も 参加しているのですが ハタ、と気づくのは 高橋幸宏の声って もはや楽器のひとつのように 必要とされるような、そんな域なのでは? と、いうことです(ユキヒロ氏ばりのボーカルを 披露しているARGENIS BRITO も 相当すごいと思うが)。 冨田ラボなどの活動により このところ、ぐっと彼の価値は 再び高まったのではないでしょうか。
YMOのメンバーが それぞれに、卓越した才能をもつ アーティストであることは、日本人ならば 誰でも知っていることでしょうが セニョココも、同じくらい凄い人なのです。 彼は、目眩しのような ラテン作品をいくつか世に出していますので 今後もおおいに期待します。
*当サイト・コラム 「音の向こう側」
・2003/10/8 ・2004/09/02 ・2004/10/04
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(DJ KAZURU ★ 2006/05/29)
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