エスコヴェードといえば、そうです シーラ.E.の親戚筋でございます。 彼女の叔父に当たるコーク・エスコヴェードは 偉大なパーカッショニストでして その存在は、ラテンロック界にも 多大なる影響を及ぼしたといわれていますが、 そういったシーンの隆盛に関係なく このアルバム、よい作品です。
90年代風に言うならば 思いっきり free soul な風味ど真ん中で ♯2あたりのこみあげ系にのった 温かみのある、深く黒いボーカルに 聴き入り堪能していると これがパーカッショニストのリーダー作であることなど どうでもよくなってくる始末(もちろん、思い切り パーカッションを味わえる曲も入っています、♯4とか)。
最大の魅力は 曲の終わりにダカダカ入ってくるティンバレスが印象的な スモーキー・ロビンソンのカヴァー♯5、 ストリングスを伴うイントロだけでノックアウトされそうな レオン・ウエアの名曲♯7(男性ボーカルのセクシーさが たまらない上に、コンガの出番が絶妙)あたりでしょうか。
ラテン特有の田舎臭さは、殆ど感じられなくて 大人っぽい曲ばかりを扱っています。 ラテン音楽にとっては、重要なパートとなる パーカッショニストがこうした曲調において 表現を求めていったということも、興味深いことです。
コーク・エスコヴェードはキャリアも長く カル・ジェイダー、 サンタナ、といった ラテン音楽を語るには欠かせない シーンの要となるようなアーテイストの レコーディングやlive にかかわってきた人なのですが 余り、そういったことに囚われずに聴いてみると すごく趣味のよいパーカッショニストが 自由に作ると、こんなにも美しい アルバムが出来るのかと、思うのですね。
それにしても 1970年代。 現役バリバリのラテン・パーカッショニストが ここまで「モータウン」的な音を好んでいたとは 不思議なようでもあり、当然のことのようでもあり。。。
(DJ KAZURU ★ 2006/07/10)
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