グアコの素晴らしさ 新しさ、豊かさというものは 再三述べてきたような気がするのですが この作品も大好きです。
作品が発表されるたびに 「また恰好いい音なんだろうな」と 予測しているのに 実際に聴くと、それを上回る衝撃に 身を包まれる。 そのようなバンドがいくつあるというのでしょう。 まさに 尊敬に値するミュージシャン集団、GUACO。
♯2、♯3、あたりは 2003年頃の DJイベント「TIM★CUBA」で かなりヘビー・ローテでした。 ラテンでありながら硬質なムードが 私の趣味と一致。 本作の中でも、当然この2曲は 際立っています(とはいうものの ♯4のようなファンキーさも捨てがたいし、 ギターの合図と共に、どうにかなりそうなほど グルーヴが回りだす♯5も好きですし・・・ 結局全曲語るしかないのか? というくらい このアルバムは優秀な トラック揃いではありますが)。
さて、代表して タイトル曲に耳を傾けてみましょう。 これはスロウな曲です。 まずは 切なげな歌い手を引き立てるような 情緒あるピアノ(ディスク・レビュー♯76で 紹介したような音が気になる人は、こういうピアノの 良さが分かるような気がします)にまず 心を奪われるのですが、 その穏やかさにひたる間もなく ビートが鋭さをましてくる。 そして、グアコらしさ全開の ギターがうなりをあげる瞬間。。。 なんとも刺激的で、美しさに満ちた展開ではないでしょうか。 全体の中では 地味な一曲にも思えますが この曲も、グアコの振幅の大きさを 知るという意味で素晴らしい一曲かと。
グアコは名作を多く 輩出してきた優れたオルケスタですが 他のオルケスタとは考え方の出発点からして 違うような気がします。 なんといいますか、彼らの前にあっては Groovy なんて言い方が、軽々しく思えるほどです。
(DJ KAZURU ★ 2006/07/24)
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