ブレンダ 089
Brenda.K.Starr
1996 Si Records SI28
1.Sola
2. Herida
3.Te Sigo Esperando
4. No Necesito
5. Un Amor Comoel Mio
6. Peligroso Amor
7. Keep It A Secret
8. No Digas Nada


サルサを代表する歌手とか
サルサを代表する一枚、という
表現は実にむずかしいものですけれど
この作品は90年代のニューヨリカン・サルサを
代表する、サルサらしい歌手によるサルサ作品と
言っていいでしょう。
サルサに興味はあるけどキューバものは
ちょっとね・・・という層には
特に推したいもの
いえ、聴いておかなくてはならない一枚なのです。

ブレンダ・K・スター
何年たっても、彼女に並ぶ
サルサ歌手はそうは現れていません。
男性歌手主流の世界においても、その
存在感はひときわ大きく
現在も変わらぬ伸びやかさと、きらきら感のある
歌声で作品をリリースし続けています。
セールスにあらわれる以上に
実力のある人です。

♯2を聴いてみてください。
これこそ、サルサ・ミュージックのよさを
100%、出し切った楽曲ではないですか。
恋愛における、切なさ、やるせなさが
歌詞なんかわからなくても
伝わってきます。
佳きメロディーに、優れた歌手が巡り合い
それを一つも壊さない、プロデュース能力のある
人間が交わってこそ、可能な仕上がりです。

本作にはウンベルト・ラミレスという
この時代のサルサを語るに欠かせない
人物がアレンジ、プロデュースに関わっていますが
彼は本当にセンスのいい人です。

そして、ウンベルト系の作品で
「このコロはいいなあ」と思ってクレジットを見ると
必ずといっていいほど出てくるのがこのトリオ。
すなわち、
ティト・アレン、ジョニー・リベーラ、ウンベルト・ラミレス
の3名ですが、しっかりここでも仕事をしています。
サルサは力のある歌手が歌うことはもちろんですが
ソロで歌える能力のある人物が束になって
コロとしてメイン歌手を支えると、聴き応えに驚くほど
差が生じるものだということがわかります。

ブレンダについては、マライア・キャリーとの
関係(マライアは都合のいいときだけ
ラテン系になってみたり、ブラック系を名乗ってみたり
忙しい方ですが、そもそも彼女のバンドメンバーでした)など
書くべきことは多々あるのですが
思うに、若干出現するのが早すぎた人材であったような
気はします。
もっと評価されていいし、爆発的に売れていい人だったと
思うのですが、セールスの大小に関わらず
彼女は素晴らしい歌手です。
細やかな歌い回しなど、うっとりするほど。
特に女性のリスナーには訴えるものが大きいのではないでしょうか。

*なお、本盤は日本盤表記に従いまして
「ブレンダ」としていますが、微妙に異なるジャケ×原タイトル
「Te Sigo Esperando」での流通が、一般的かもしれません。

(DJ KAZURU ★ 2006/08/14)

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