1976 年から 1990 年まで 十数枚の egrem 盤から 12 曲をセレクトし 古いものから新しいものへと並べられた ロス・バン・バンのベスト盤。 ソニーのムラカミズ・レーベルがリリースしたものなので 当然、村上龍氏が曲の選択をしています。
人によっては「なぜあの曲が入っていないのだ」、とか ベスト盤としてのあり方に疑問を持つ方もいらっしゃるでしょうが それは誰が監修しても同じことで なんとなくこのバンドを分かってもらう、そういった 当たり障りの無いものではなく 村上氏の思い入れと共に完成した、なかなか美しいベスト盤に なっているのではないかと感じます。
トップ・オルケスタのベスト盤ですから 当然、聴く価値の高い曲ばかり収められているわけですが こうして約 15 年の軌跡を順にたどる試みをしてみますと やはり感じることは 「これ、逆じゃないのか」ということです。 いえ 80 年代の楽曲・演奏も充分に革新的な音であるのですが 70 年代のバン・バンは明らかに普通じゃありません。 2000 年をとうに過ぎた今と比較しても、その 新しさに驚愕する思いは消えません。
70 年代から、ロス・バン・バンは 恐ろしいような吸引力を持つ音を抱えていました。
この老舗であり、トップ・ランナーでもある オルケスタの偉業を振り返ってみるには よい機会になりうる一枚かもしれません。
(DJ KAZURU ★ 2007/01/29)
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