Vale la Pena 115
La Caro Band
1999 BEMBE 2021-2
1. Vale la Pena
2. Rap de la Caro and
3. Que Siga
4. El Engañado
5. Idea Loca
6. Pecar No Es Malo
7. Éste No Abunda
8. Pensar Ente Dos
9. Amor de Etiqueta
10. Sólo Una Vez

リード・ボーカルとコーラスの4名が姉妹のファミリー・バンド。
サウンドは '97 当時、キューバ人の心を捉えまくっていただろうなと
思われる類のティンバ。
ボーカルがあどけないといえば、それも魅力の一つですが
どうも垢抜けない印象をもたらすのは、彼らがハバナで誕生したバンドではなく
マタンサス出身ということも関係しますかどうか。

腰を直撃するタイプのビートを基本に、全ては
何もかもを忘れて踊るために、と
言わんばかりの直球ティンバですが、いかんせん
10年を経た現在耳にしますと、音の薄さに一抹の寂しさを感じます。
それも、彼らが世界を見つめたのではなくて
ハバナで高みに上ることを目標にすえていたのなら納得です。

キューバのアーティストは、世界レベルで誰もが
考え付かなかったであろう思わぬツボを突くことを得意とし
それゆえに、他ジャンルの要素を取り込むことにも長けています。
が、カロ・バンドにおきましてはキューバ人がキューバ人の枠を超えることなく
それこそ外国の文化はひとまずおいておき、といった風情で
「ティンバ」を演奏する快感だけを求めて作品を残したように思えます。
ラップの取り入れ方にしても同様で、そこには別段
フレッシュな何かは存在しないので、ああラップだなというだけに留まっています。

しかし、当時のティンバ・サウンドの勢いはやはり評価すべきです。
より複雑化(時には歪曲化)し、面白くなったのも、つまらなくなったものも
現れてきた2000年以降のキューバのダンス・サウンドに比べまして
何というストレートさ。
ここには当時キューバの誰もが世界に誇った「進化系の音楽」である
ティンバの明るさが十二分に詰まっています。

(DJ KAZURU ★ 2007/02/12)

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