ロス・バン・バンの70年代における ぞっとするような音楽への鋭い 切り込みは、当サイトにおきましても 価値の高いものとして取り上げてきましたが、当時 同じキューバで似たような肌感覚をもって活動していたのではないかと 思われるのがgurupo yoyi であります。
ライナーノーツにも記されているように 本作以外に2,3点の作品を録音したのであろう、ということ。 70年代にキューバで活躍していたのであろう。 それ以外の情報はほとんど明るみに出ていないのでしょうが 一聴すれば、この時代が生み出したレア・グルーヴ感に 心がざわめきます。
まあ、この しみったれたところのまるで無い ラテン・グルーヴといったらたまらないですよ。 ファンキーな部分だけではありません。 どこか懐かしく 軽快さも備えたこのしたたかさ。 当時のフレンチはたまたイタリアン・ラウンジ(という名称は 90年代以降のものかもしれませんが)とシャッフルで聴いてしまえば これがキューバの音楽である、という 事実すら飛んで行くに違いありません。
プリミティヴな音楽の魅力と 土っぽさを排除した部分のバランスを保つキューバ人の 美しい方法論は どうも70年代キューバにおいて ある種の方々には崇拝されていたようですね。
80年代以降、このように冴え渡った都会的センスは 逆に忌み嫌われたのかとすら思われるフシがあるのですが そういうった意味でも貴重な証拠音源の如き一枚。
*なお、これはレコード番号から判断するに 70年代半ばの録音であろうということにすぎませんので 記載した1975年というのはあくまで推測です。 本作品のクレジットはCD化された2001年の盤に従って記載しました。
(DJ KAZURU ★ 2007/03/12)
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