ラテンが好きでない人でも、レイバレットは知っているでしょう。 作品もありすぎて、何から手をつけてよいやら、と 思われる方もいるかも知れませんが、なにも 王道から入らなくてはいけないという決まりもないので このようなものを挙げさせていただきました。
一応、ライナーノーツから略歴を抜粋させていただくと レイ・バレットは 「プエルト・リコからやってきた移民の両親のもと 1929年ブルックリンで生まれた典型的なニューヨリカン」
そして、数々のバンドでパーカッショニストとして 活躍するわけですが、60年代、70年代の 最もNYにおけるラテン音楽が輝いていた時代を 謳歌し、また牽引した人物ということになるかもしれません。
本作は彼の本流からは外れているかもしれませんが 非常に気の利いた、多方面にアピールできる企画物です。
なんといってもこれは 全てが007シリーズの楽曲です。 耳にしたことのある、曲ばかり。 ブガルーだの、ラテン・ジャズだのと そういうカテゴライズを持ち出したところで 吹き飛んでしまうイメージがまずはあります。
なぜ007を題材に一枚レコーディングするに 至ったのかということに関しても どうやら所属レコード会社が製作した映画が007だからで あるという、それだけの経緯のようですが、私は レイ・バレットが007をラテン・アレンジしたことは もう必然としか思えません。
時代特有、と言われればそれまでですが 派手なシャキシャキ感ではなく、夜のムードで ねちっこく解釈されているのが秀逸。 ブリブリした感じも恰好いいです。 全編インストですので、ご自宅にお客様を招かれた時など 意外性のある一枚としてBGMにしてもよいでしょう。 映画音楽ならではの広がりと、ラテンのリズムの 融合をお楽しみください。
なお本作品は 1965年の作品ですがデジタル・リマスタリングされて 2006年に紙ジャケット仕様で再発されたものの レコード番号を記してあります。 この紙ジャケがまた合うアルバムです。
(DJ KAZURU ★ 2007/04/01)
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