ティト・ニエベスとヴィクトル・マヌエレとご一緒した楽曲 ♯1がイチオシ曲なのは分かりますが、この人はたいていのものは さらりと歌える人ですので、今更どうということはありません。
驚きましたのは、モーメンツの 名曲「Love on a Two Way Street」を サルサの楽曲としてこれまた派手に塗り替えてしまったこと。 このセンスには舌を巻きます。 元曲は、しっとりとしたスイート・ソウルなわけで ほんの少し聴いただけでは、これがカバーであると 分かりません。 よくぞここまで解釈してみせた、と。 誰がこんなことを仕掛けたかとみれば この曲はウンベルト・ラミレスのアレンジなのです やはり、というしかないです。 この人は、メロウなサルサ系のことを本流にしているように見せかけて 実はものすごくキューバのエッセンスを出したくて仕様がない人だと 思っております。 そのものズバリではないのに キューバ音楽愛好家の心に響かせるものを出すのです。 ラップの使用感も絶妙で、素晴らしい出来です。 2002年、リリース時の時代の雰囲気的にもぴったり。 ティンクーバのイベントに来てくださった方は 更にダンサブルになったリミックス・ヴァージョンでお楽しみいただいています。
このアルバム、実力派のYANKOなども コーラス参加していたりしますし 他にいい曲が見当たらないということではないのですが あとはいつものブレンダという趣です。 まずはLove on a Two Way Streetに注目していただきたい一枚です。 長年、きちんとサルサ歌手業を邁進して来た人が 新機軸をみせてくれた、そんな嬉しさを感じます。 しかし何を歌っても、やはりブレンダはブレンダであると そういうわけです。
(DJ KAZURU ★ 2007/04/23)
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