El Alma Al Aire 143
Alejandro Sanz
2007 WEA 8573847742
1, Cuando Nadie Me Ve
2, Hay Un Universo De Paquenas Cosas
3, Quisiera Ser
4, Llega, Llego Soledad
6, El alma Al Aire
7, Me Ire 5:58
8,Hicimos Un Trato
9, Tiene Que Ser Pecado
10, Silencio

良質のアルバムをいくつも製作しているサンスですので
難しいところですけれど、名曲にカテゴライズされるような曲の多さ、
歌唱の安定ぶり、全体の構成の美しさから言っても本作品は
間違いのない一枚、ということになるでしょう。
爽やかなギターを前面に押し出したバックトラックも
彼の歌声を引き立てるぎりぎりの厚みで
バランス最高だと思います。

2000年にリリースされたこの6枚目のオリジナルアルバムは
デビュー盤と聴き比べれば驚くくらい成長の跡が見られます。
もちろん彼の天賦の才はデビューのときも現在もほぼ変わらぬ輝きを
放ってはいるのですが、特に歌唱の面では美しさが格段に違います。

♯1、言わずと知れた名曲中の名曲。
アンプラグド・アルバムでも一曲目を飾っているこの曲は
サンスの美点が「全部盛り」状態でありまして、聴く者の
耳だけでなく心を引き込む名作です。

個人的には♯3、♯6、♯9あたりがツボですけれど
どの曲も洩れなくサンスの世界観(所謂切ない、に代表される)に浸れます。
切ないとは言っても彼の場合、いわゆるラテン的センティミエントとは
一線を画す哲学が垣間見えるところが面白いと思います。
スペイン人ですから中南米のラテンでもなく、白人のロックでもなく
黒人のソウルでもなく、しかしすべての要素に通ずる何かを
抱えているということはあるやも知れません。
例えばラテン音楽にまったく縁がないとしても
ソウルバラードを好んで聴かれる方の何割かは、サンスが
スペイン語で歌っている楽曲に惹かれることでしょう。
スペイン語で歌い続けているにも関わらず、トロピカル音楽としてではなく
世界中で彼の音楽が愛されていること
とても納得がいくのです。

*最後にこっそり入っているシークレット・トラックも
お忘れなきように。

(DJ KAZURU ★ 2007/09/13)

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