イサク・ディーネセン著
「バベットの晩餐会」拝読。
作者はデンマーク人ですが
英語で著作を書いているそう。
この本を読むだいぶ前に
映画化されたものを見ていました。
しかも、何度も!
豊かさってこういうことか、って
感激してみてました。
牧師の父のもと
教義にならってつつましやかに生きる
姉妹。
いまや老姉妹となったふたりのもとに
フランスから亡命してきた
中年女性バベットが家政婦として
やってくる。
欲望とは無縁
地味な生活が続くと思われたけれど
バベットが宝くじに当選したことから
彼女はフランス料理を
みんなにふるまうと言い出す。実は
彼女は有名レストラン・アングレの名コックで・・・
まあ
そんな話ですが
その夢のようなディナー(宝くじで
あたった大金すべてで作られた)
下の震えるようなワインや料理を目視できる
楽しさが映画には満ちていました。
原作本では
姉妹があきらめた華やかな世界のことや
ノルウェーに流れ着くしかなかったバベットの
痛ましい悲しみが大きく感じ取れます。
何の願いもなく生きるということ
祈ることさえ思いつかない人生に
なってしまった女性の心。
しかし
その絶望の人生を引き受けたバベットは
すべての料理を仕上げ
「わたしは優れた芸術家なのです」
と、言う。
これが優れた料理人の矜持!!
「芸術家の心には
自分に最善を尽くさせてほしい
その機会を与えてほしいという
世界中に向けて出される
長い悲願の叫びがある」
「その女性はね
カフェ・アングレのディナーを
なんというか 一種の情事に
崇高でロマンティックな恋愛関係とでもいったものに
変えようとしているのさ。
そうなればもう
食欲の充足感に
肉体的なものと、精神的なものの
区別などつかなくなるってわけさ」
・・・
8月17日のイベント会場が
変更になっております。
旧会場からすぐの場所で、当日は
案内の者も立ちますが
フライヤーページをご参照になって
お越しくださると幸いです。
時間等々は変更御座いません。
(DJ KAZURU)
[…] バベットの晩餐会 […]
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