日本文学100年の名作
シリーズ6巻目。
と
と同じシリーズ。
今回は
1964年から1973年までに
書かれた作品からのチョイス。
川端康成の不思議ワールド
「片腕」にはじまり
和田誠の強烈ショートショート
「おさる日記」
野坂昭如のギラギラする文章が
突き刺さってくる
「ベトナム姐ちゃん」・・・
選者のセンスに脱帽するしかない!
中でも
小松左京の「くだんのはは」は
じわーっと恐ろしく
また、終戦直前の
人の心理を突いたものとして
強烈でした。
内田百閒の「件」を
読んでいたものとしては
くだん、が何であるか
もうわかっているので
かえって面白く読めた気がします。。
空襲で焼け出された一家の
中学生の息子が
ある裕福そうな
家にやっかいになるのですが
その家には秘密があり・・・そんな
話しですが、きゃーってなる
雰囲気でどんどん進む。
戦争は
生活というものの持つ
特殊なニュアンスを、その年頃の
僕らにもよくわからせてくれた。
僕は悪いことをきいたと思って
口をつぐんだ。
僕たちには戦争がどうなるかということさえ
考えたことがなかった。
毎日生きるのがせい一杯だった。
(中略)
僕は
なおもおどしたり、懇願したりした。
僕は何という嫌な少年だったか!
あれだけ上の連中にいためつけられながら
或いは
かえっていためつけられていたが故に
ちゃんと権力を かさに着て
その幻影でもっておどしをかけ
我意を通す事を知っていたのだ。
このシリーズの良い点は
文字の大きさにもあります。
すべての文庫が
この文字サイズになればいいのに、と
思う。
(DJ KAZURU)
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