「天空の蜂」
東野圭吾 著 拝読 。
複雑な人間の心模様を
ミステリの形式で描く
上手い作家さんだなあと
いつも感心してましたが
今回も
その気持ちを更新させていただきました。
原発の開発に携わる人。
原発を受け入れた地域で暮らす人。
推進する人、
反対する人。
事故が起きた時に
どのような対応が可能なのか、また
出来ないのか・・・
3.11.以後の日本人ならば
誰でも抱いた危機意識ですが
この問題をまさに核として
書かれたこの作品が
1995年に出版されていることに
まず驚いてしまいました。
さらには
学校内で死にまで追い込まれる
いじめ問題や
自衛隊の在り方にも鋭いやり方で
取り込んでいて
作者の時代を見据える目に
びっくりです。
原発を次の仕事に選んだのは
あるいは偶然かも知れない。
しかし彼はこの世界でも
かつて味わったのと
同じ矛盾に直面し
同じような憤りを抱くことに
なったのではないだろうか。
「世の中にはないと困るが
まともに目にするのは嫌だってものがある。
原発も結局は
そういうものの一つってことだ」
彼がこのセリフを口にしたとき
おそらく自衛隊のことも
頭にあったに違いない。
もうすぐ映画になるみたいね。
もっと早く映画になっていたなら・・・
という気もします。
(DJ KAZURU)
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