それでは、2015年のベスト3の発表です。
第1位はManolito y su Trabuco 「No Puedo Parar」が受賞。
ここ数年、アレキサンデル・アブレウやマイケル・ブランコに
押されていたマノリートですが、最新作はどの曲もヒット性の
ある楽曲ばかりでアルバムとして久しぶりの大傑作でした。
キャッチーなメロディ、重厚なアンサンブル、
そしてアマライと新加入と思われるボーカルの魅力。
まったく飽きさせるところがない、これこそ今の
Musica Cubanaといえる1枚です。
第2位はEl Nino y la Verdad 「Llego La Verdad」
名門オルケスタ・レべからボーカルとアレンジャーが
スピンアウトして立ち上げたバンドのデビュー作。
白人系キューバ人なのにエルネネばりの黒いボーカルが
魅力的で、楽曲も素晴らしい出来でした。
キューバ本国でも注目されたようで、クバディスコの
最優秀新人賞を受賞。
まさに期待の大型新人バンドです。
第3位はPaulo FG 「Abre Que Voy」
2014年に配信され、日本でもアルバム収録のナンバーが
大ヒットしました。この作品、前作からパウロがクバトンを
通過させたティンバを試行錯誤していた内容の完成系が
詰まっています。
正直のところチャランガ・アバネーラがクバトンを越えられず
ワンパターンの音作りに陥ってしまったのに対し、
パウロはティンバを現在形に昇華して、素晴らしい作品を
創り上げました。
このアルバムは時代の音をあらわした名盤と言えます。
以上が2015年のトップ10ですが、いかがでしたでしょうか。
皆さんがキューバ音楽を楽しんでいただけるきっかけになれば
幸いです。
そして今回、エントリーしたけれど惜しくもトップ10に
入らなかった作品が多くありますので、
それらは番外編に続きます。
(福田カズノブ)
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