2005
pantalones calientes records
1.Sembramos Nuestras Vidas
2.Entiéndelo
3.Por Mas Que Quema
4.Comunícate
5.Amando en la Distancia
6.Dejala Volar
7.Nosotros Dos
8.Tu Eres la Luz
9.Y Tu Qow Te Pensabas
10.Gracias
11.Canten
Bonus Track
12.Loving You(From A Distance)
ニカ・ガルシアは、メキシコ系アメリカ人の女優で
ラテン音楽に限らず、幅広いレパートリーをお持ちとのことですが
今回のアルバムに限っては、思いっきりキューバ。
まず、ボーカル・ワークが非常に魅惑的。
純粋な「歌唱力」というもので評価されると、彼女よりも
「歌が上手い」人材はいくらでもいるのでしょうが、なにせ
天性の表現力がある。
自分の特性が、どのようにすれば生かされるのか
充分に分析されていると、感じます。
ラテンにありがちなねっとり歌唱法じゃなく、どちらかというと
ブラジリアン的な爽やかさが美しく、心地よい風のように
聴き入る者の耳を撫でてくれるのです。
ときおり織り交ぜる、ラップ調のフレーズもなかなか。
これは、生粋のキューバ人だったら
逆に、難しいことなのかもしれません。
そんな新鮮な歌手なのですが、
バックメンバーは、キューバ的に最高の布陣。
いまや、大物プロデューサーの
ファン・マヌエル・セルートが、プロデュースに
関わっていますが、数年前に彼が手がけた
ハイラ・モンピエ(十年にひとりとも、百年にひとりとも言われる
キューバの代表的な女性ボーカリスト)のソロ・アルバムが
遥か彼方にかすんで見えるほど、丁寧な作品に聴こえます。
3.など随所で、うっとりするようなピアノ・ソロを披露しているのは
若手NO.1ピアニストの呼び名も高い、ロランド・ルナ。
私は彼が大編成のオルケスタの来日公演のために来日した折
そのメンバー内で構成されたトリオのジャズLIVEに
足を運んだことがあるのですが、メンバー全てが神業のような
技術と音楽性で、頭が混乱しかけたことがあります。
そのように、精密なだけでなく、豊かな音楽を
体の中にたぎらせているミュージシャンが、参加していることも
本作品の緊張感を高めているといえましょう。
なお、私の大好きな 2.,10. はホアキン・ベタンコーの
アレンジです(ホアキンについて書き出せば、それだけで
レポート用紙が何枚にも及びそうな、実績もセンスもある人ですが
そんな人も参加している、ってことだけはお伝えしておきます)。
—-
全体的には、かのイサック・デルガードが
「世界に発信するトロピカル・サウンド」と銘打って
リリースした「ラ・プリメーラ・ノーチェ」を思わせる
アルバム・コンセプト。
つまり、キューバ音楽マニアだけでなく、広く愛される
要素を大いに孕んだ、聴き応えのある作品だということです。
(DJ KAZURU ★ 2005/03/14)
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