辻原登著
「籠の鸚鵡」拝読。
読む前から良い小説にちがいないと
安心できる作家さん。
前作に続いて犯罪小説です。
ミステリーではなく
人の心を丹念に書いているのですが
実際の事件を題材にしていることもあり
興味津々になってしまいます。
犯罪には動機があるとは限らないと
インタビューで仰っていました
何かに流され夢中になるうちに
行動することもあるんだと、そして
人間の緊張が最高潮に達する時が
殺人だからそれを書いた、と。
女に翻弄されて横領している
男も
なんの保証もないのに
鉄砲玉を買って出るヤクザも
アホだなーと思うところですが
この小説においては
そんなアホなことしている
人間の心持ちというのが
じっくりと伝わってきます。
辻原氏は評論家としても
素晴らしいのですが
表現者、作家としても素晴らしいという
稀有なタイプと思っています。
*DJ KAZURU*
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