2000
SUB UP RECORDS/EFA14833-2/SUBCD33
1.melao de caña
2.la mirada
3.mirame bien
4.somos lo maxio
5.el pai y la mai
6.guantanamera
7.hagamos un chen
8.la bola
9.ya ves
10.lalle lalle
キューバ女性3人組のヒップ・ホップ・ユニットかしら。と
ジャケ写からは想像してしまいますが、一聴すればその
とんでもなくCOOLなサウンドに、まずは驚くはず。
ネタは、キューバ音楽に日々接している人にとっては
スタンダードともいえる有名曲ばかり。
そこをもって
「どういう発想だとこうなるワケ??」 と
驚愕&ハイ・センス展開のアルバムです。
クレジットに目をやれば「produced by Holger Hiller」 と
あるのですが、ホルガー・ヒラーって、あの
テクノ系のドイツ人か、ってとこまで気がつけばすべてに
納得がいくというものです。
やはりどの国の人間であろうとも、ちょっとした耳(彼の場合
ちょっとしたどころか、相当鋭い耳をお持ちなはず)を持っていれば
2000年手前時期、キューバ音楽の強烈さに気づくわけで
ヒラーも、そこに食いついたひとりと、察するのですが
同じくラテン音楽を自分の創作に取り込んだ、ドイツ
テクノ界の鬼才、アトム・ハートが完全に茶化した形で
再構築して見せたのとは対照的。ヒラーの仕事は
「現在のキューバ音楽の粋」をそこねないものとなりました。
キューバ人ミュージシャンやシンガーの持ち味を、そのまま
保ってあげることはできても、良さはそのままに
新しい感覚を具えてあげることは、特にキューバ人には難しく
やはり「才能ある一部の外国人」の仕事になってくると思うのです。
ジャーマン・ニュー・ウェーヴあなどれじ。
本作品は、まさに他ジャンルの才能がキューバ音楽に結びつき
開花した好例。
私も、キューバ人ではないキューバ音楽を称える者の一人として
こうした作品を心から待っていたと感じました。
チャランガ・アバネーラの演奏で知られる2,7、
マノリン&メディコ・デ・ラ・サルサの名曲4,8 、
パブロ・ミラネスの3,9。
6.にいたっては「グアンタナメラ」と、原曲を知っていれば更に楽しみの倍増する曲ばかりです。
厚すぎないバックトラックに、心地よくからんでくる
あくまで「キューバ」な女性ボーカルが、やはりキモではありますが
飛び道具的に入る効果音も絶妙なるタイミングで狙ってきます。
こんなの、サルサ・クラブじゃドン引き?
かも知れませんが、逆に
コアなクラブだったら、間違いなく話題にのぼる作品。
(DJ KAZURU ★ 2005/01/31)
Add A Comment