幸田文 著
「きもの」拝読。
明治生まれの三姉妹の
半生。
子供の頃のつまらんケンカから
男の好み、女性の幸せ観
婚家でのあれこれが
関東大震災などをはさんで
語られます。
長女、華やか上流好み
医者の家に嫁ぐ
次女、横浜の商人に
嫁いだ途端、着物には目もくれず
洋服を着こなす
三女、幼い頃から化繊が気に食わず
木綿を好むナチュラリスト
最大のテーマは
「着ることは、生きること」
木綿を着ていれば
自然と木綿の顔になり
絹を着ていると
相応の顔になる。
身分や経済の問題に加えて
どの場面で何を着るかの
選択こそが、女にとって
大事なことだと迫ってきます。
TPOとは
ちょっと異なるニュアンス。
「女なら一生のうち、覚悟を持って
着る着物がある
例えば婚礼の着物がそうだ
まともな女なら心にけじめをつけて着る」
という言葉も出てきますが
明治の女性なら
当然そうあるべきだったでしょう。
離婚や不倫のハードルが低い
現代だと、そんな気合を込めて
婚礼衣装着る人は
すくないのかなー
残念なことです。
DJ KAZURU
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