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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

Paulo y su Elite – Tu No Me Calculas

1993
Egrem 0053

1. Sonando Y Pegando Duro (Presentacion)
2. Meneate
3. Tu Todo Mi Tiempo
4. Muchacha Ternura
5. Ven A Mi Chachacha
6. Yo No Puedo Estar Con Otra
7. Tu No Me Calculas
8. Fatalidad Y Casualidad
9. No Hace Falta Que Lo Diga
10. La Captura

パウロのファースト・アルバム。
今から 15 年前にもなるのに今だ輝きを失わない
不思議な作品です。

パウロ F.G. こと、Pablo Alfonso Fernández Gallo は、
1980年代末から、
ダンデンやアダルベルト・イ・ス・ソンで
ボーカリストとしてのキャリアを磨き、
ホアキン・ベタンコー率いるオプス 13で、
リード・ボーカリストと共に
作曲の才能を開花させていきました。

その後、ホアキンが女性名ボーカリスト、
ジャクリーンのバック・バンド、
バンダ JB に関わっているころ、
パウロをリーダーにファン・マヌエル・セルートが
ディレクトールとなって、オプセ 13のメンバーを
引き連れ新たなバンド、
パウロ・イ・ス・エリテをスタートさせるのです。

当時はバンバン、レベ、アダルベルト・イ・ス・ソン
といった大御所やダンデン、NG ラ・バンダといった
新人バンドが快進撃を続けている時代でした。

そんな中、パウロ・イ・ス・エリテは
当時では珍しく若手だけのメンバーで
デビューを果たしたのです。

今回取り上げる作品は当初アナログ盤で
キューバ国内発売となり、その後 CD 化されたもの。

日本で彼らの音が聴けるようになったのは、
村上龍氏招聘の NG ラ・バンダ第 2 回目の来日に
前座として演奏したライブと
その時の来日記念盤として日本発売になった
ジャケット違いのこの作品。

私はこの時のパウロ・イ・ス・エリテの
生演奏に衝撃を受け、
以来ずっとファンのままという状態が続いています。

1980 年代のキューバのカンタンテは
ペドロ・カルボ、フェリックス・バロイなど
マッチョなタイプが主流だったのですが、
イサックの登場でソフトな声や歌唱方法が人気を呼び、
このパウロで更に甘いボーカルの流れが
決定的になります。

サウンドは、オプセ 13 時代とほぼイコール。
パウロのボーカルを前面に
キーボード担当のエミリオ・モラレス、
サックス担当のファン・マヌエル・セルートが
サウンドの中心を担っています。

NG のトスコがラップをはじめ、様々なリズムを
キューバ音楽に融合させていた時代らしく、
この作品でも色々なリズムに挑戦していますが、
特徴はロマンティックな
サルサ・バラーダとパウロの甘い声。

彼はイサックを凌ぐほど若いクバーナの人気を集め
一躍人気バンドの仲間入りを果たしますが、
必ずしも音楽学校出の超エリートではない
努力家という一面とバンドをしっかりと運営していく
リーダーとしての力量が彼の成功を支えています。

このファースト・アルバムの後、
パウロ・イ・ス・エリテはディレクトールの
ファン・マヌエル・セルートの才能が爆発し、
重厚なバンド・サウンドを完成。
ティンバ界のトップ・バンドへ登りつめていきます。

この作品はパウロのベストではありませんが、
ファンの中では
これが最も好きだという声が後を立たないのは、
もしかしたらパウロの声とメロディ、
そしてアレンジが最もマッチしているのは
この時代の作品なのではないかと思うときがあります。

バンドの音は新しいものへ進化し続ける運命を
背負っていますが、音楽として良いものは、
ある時代の組み合わせでしか
生まれ得ないということを示している
作品なのではないでしょうか。

(福田カズノブ ★ 2007/11/11)


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