川上未映子著
「きみは赤ちゃん」拝読。
作家が子供を持とうと決心して
妊娠して
出産して
その子供が1歳の誕生日を
迎えるまでをエッセイにしたもの。
出産子育てというのは
大変なものであるとはみんな
知っているけど
その一方誰もがやってきたことでも
あるわけで
あたりまえなことばかりといえば
そうなんです。
でも
そこは川上未映子。いちいち
目線も表現も面白いです。
びっくりエピソードも多いですが
中でも産婦人科で出産の痛みを説明されるとき
「痛みの段階として
切り傷はまあ痛い。
やけどになるとひりひりするし
更に上の痛みですよね。
それよりも
ぐっと痛いのは指の切断だと言われていて
これはぐーんと痛いです。
で、出産はというと
もうとんでもなく痛い」
という話をされて
川上未映子もお大きなお腹で
ひょえーっとなるわけですが
そこで私が思い出したのは
映画、極道の妻たちの中で
岩下志麻さんが
敵陣に乗り込み
指を詰めるシーンでした。
岩下志麻さんはその前に
敵の極妻さんに
「うちの盃飲めへんことないやろなあ」
といわれ
グラスにあふれんばかりに
注がれたブランデーを一気飲みしてから
自らの指の切断に至るわけですが
大量のアルコールで
血流がぐわーっとなったところで
指の切断。。。
痛かっただろうなあ
もちろん映画なので
志麻さんは声を上げたりしないけど。
そんな指の切断よりも
ずっとずっと痛い出産を
乗り越えなければ
新しい命に出会えないというのは
なんて大変なことでしょう。
そんな苦行を乗り越えたあとに
「子供に望むことは
犯罪者になってくれるなってこと」
というめっちゃ
控えめな発言をする
川上未映子はやっぱり面白いです。
DJ KAZURU
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