大岡昇平
戦争小説集「靴の話」
拝読。
「野火」は
俯瞰で戦争を大きく捉えて
いるような小説だったけど
こちらは
細かなエピソードの連続。
実際戦地で
感じたこと、これは
いつか書いてやろうと
思ったことは
山ほどあると思われますが
それをひとつひとつ
短編にまとめたんでしょうね。
フィリピンで暗号係として
デスクワークしていた時のこと。
南国特有の
潰瘍に悩まされたこと。
マラリアで死にかけてたはずが
隣の男のほうが
先に死んでしまったこと。
どれも
わずかな偶然により
作者が命拾いした話なので
小さなエピソードでも
内容が重い。
読んでいてなかなか進みません。
丁寧な注釈もついている
文庫版ですが
これくらい多くの注釈つけないと
今の20代とかもしかしたら
40代あたりも意味不明な
小説なのかな。
戦地の具体的な日常を
垣間見るという点でも
読むべき一冊でした。
DJ KAZURU
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