賢者の愛
山田詠美 著、拝読。
谷崎の痴人の愛を
モチーフにしてるというので
手に取りましたが
自分を傷つけた友人の子を
調教して復讐するという
刺激的な内容でした。
主人公は
教養ある父親と作家志望の青年との
ふたりを敬愛して育つものの
成金の隣人家庭の娘に
どちらも奪われてしまう。
その腹いせに
長い復讐を計画するんですが
入念な心理操作なので
読んでいてドキドキしました。
結局
奪われてしまった「宝物」と
主人公が思い込んでいた父は
ロリコン趣味を恥じて自死。
のちに作家となった青年も
優秀な編集者となった
主人公からみれば
上辺だけの表現でファンを増やした
つまらない男でしかなかった。
主人公は男たちに描いた幻想を
最早わかっているので
彼らをすっぱり過去のもとして
新しい毎日
を送ることもできるのだけど
執着をやめない。
人生をかけた復讐劇、読後
ぐったりでした。
DJ KAZURU
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