文學会に一挙掲載で話題の
平野啓一郎「ある男」拝読。
平野氏は
自分より年下世代では
読みごたえある、と
思える唯一の作家です。
今回は、
ヘイトスピーチ
無国籍
戸籍ロンダリング
犯罪者家族
ホームレス
など
「いま」の
社会問題を取り上げつつ
ぐいぐい引き込まれる
魅力的な話でした。
自分は何をもって
自分であると言えるのか。
他人の戸籍を思い出ごと
乗っ取ってしまったら
乗っ取られた人間は
誰になるのか。
読みごたえありましたね。
読んでる最中
是枝監督の万引き家族が
カンヌで賞をとって
社会性と芸術表現の兼ね合いという点で
近いものがあるのかなあと。
文章としてまったく
躓くところがない平野氏なのですが
だからといってお堅いかと
いうとそうでもなく
「朝だけに香水の匂いも
まだ固かった」
とかいう描写をそっと
混ぜてくるあたりが
大好きです。
DJ KAZURU
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