夏至祭の果て
日本人がキリスト教を知り
求道してゆくときに
生じる問題を物語にきちんと
落とし込んだ魅力的な小説でした。
史実を知るという面もありつつ
皆川博子らしい、デシプリーヌの
場面もたまらない。
この作品は、1976年の
下半期直木賞候補に
なりながらもほとんど選評で
触れられることもなく
当然受賞もしなかった、という
作品だったということです。
当時の選考委員の
愚かさを指摘する人も
多いようですが、現在だって
有名文学賞の受賞作品に
まったく賛同できないことが
多いので、いまも昔も
かわらないのだなあ、と
いうところでしょうか。
同じ候補作には
宮尾登美子の「陽暉楼」も。
どちらも優れた作品をたくさん
うみだすことになる女性作家。
女性に
厳しい時代だったのでしょうか?
宮尾登美子、皆川博子の
W受賞でも良かったのに、と
今のわたくしは思います。
DJ KAZURU
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