ムーンナイトダイバー
天童荒太著 拝読。
震災後、小説家たちが
何を書くか、本当に
悩んだと思います。
天童氏はもともと
人の死をテーマに
多くの作品を書いて来た作家。
「悼む人」では
死者への祈りを
旅しながら続ける主人公を
描きました。
そんな天童氏が震災後
書いたのは
亡くなった人の遺品を
海から引き揚げる
ダイバーの話。
その人にまつわるものが
思い出以外
何もないというのは
こんなにも悲しいことなのかと
読むうちに
自分が海の底にいるような
気になりました。
人は自分と何ら変わらない
立場だった人が死に
自分が生き残るがわになると
自分の生そのものを
否定してしまう傾向に
あるようですが···
幸せに生きることこそが
死者への誠実な祈りになる。
これが作者のたどり着いた
答えのようです。
DJ KAZURU
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