大島真寿美 著
「渦~妹背山女庭訓、魂結び」拝読。
文楽の作者として有名な
近松門左衛門。ではなく
それに憧れて文楽の道に入った
近松半二が名作
「妹背山女庭訓」を書き上げていく
お話。
実は東京でこの五月に
国立劇場で上演されるのが
「妹背山女庭訓」。
タイムリーです。
文楽の作者としては
門左衛門ほど知られてませんが
ヒットをたくさん飛ばした人です。
ただの芝居好き、文楽好きだった
子供が大阪の芝居小屋が
立ち並ぶ町で
三味線弾きやら、興業主やら
ライバルやら色んな人と出会うことで
皆を魅了する台本を書くに
至る流れをまー、面白く
書いてます。
過去の名太夫や、執念の三味線弾き
戯作者の人生、また
物語の登場人物さえも
色々なものが混ざりあって
渦となり
そこから新しい物語がうまれる
という表現が
ああ、なるほどなあと
腹におちるかんじでした。
途中から「妹背山女庭訓」の
お三輪が語りだしてきて
もー興奮しました。
文楽っていいもんです。
人間のあれやこれやが
詰まっているんです。
現実では汚い行為や感情も
板の上で美しく見せてくれる。
本当にそうだと思います。
DJ KAZURU
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