
日本にはキューバのプロ・ミュージシャンが数多く在住し、
それぞれのパートで活躍していますが、
今回横浜で初めて観たSon d KlibreのリーダーであるYacelは
そのいずれとも異なるミュージシャンでした。
それはキューバ人をまったく入れずに
日本人だけのバンドを率いて、作曲、アレンジ、
そしてボーカルを担当し、
素晴らしいキューバ音楽を創り出していたこと。
キューバ音楽のグルーヴは、演奏者全員が
そのリズム理解して揃えないと生まれないので、
凄腕のキューバ人がいても日本人のメンバーとのスキル差が
あるとアンサンブルの時点でばたばたになって
崩壊してしまうのが常ですが、
このバンドは逆転の発想でその問題を解決していたのです。
それは、日本人にバンド演奏を任せ、自身は
ボーカリスト兼ディレクターとなって
全体をコントロールしていき、その上で
更なるグルーヴをボーカルで加えていたのです。
ティンバ初期の曲調を武器にしたオリジナルは安定感抜群。
ずっと浸っていたいと思える本来のキューバ音楽を
久々に聴いた気がしました。
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