三国美千子 著
「いかれころ」拝読。
地方の濃密な慣習
閉塞的な空間で
4才の少女から語られる世界。
というと、どうしても
石牟礼道子さんの
「椿の海の記」を思い出すので
これは厳しい···と思いつつ
読み進めました。
終盤にぐぐっと
内容が濃くなってきて、こちらも
盛り上がってきましたが
小説というのは
難しいものですね。
しかし、丁寧に言葉が
選ばれていた、という点で
私はこういう作品が好きです。
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徒党を組んでの嫌がらせ、言葉の暴力
まがいもののお正義。
村の中で行われるそうしたもの
桜が丘の分家の中で久美子が行うもの。
私はそうした嫌がらせと欺瞞の
態度をよく知っていた。
りかこちゃんは整った
可愛い顔に傲慢な醜いものを
宿していた。
みきちゃんも生来のずる賢さを
ぱっちりした目にたぎらせていた。
ゆうかちゃんは一見大人しそうなだけに
一番狡猾だった。
美少女たちはそうしたいじめをしても
許されるという雰囲気が
もも組のクラスの中に存在していた。
私は小さな声で一言「いや」
と言った。
DJ KAZURU
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