文楽二部へ。
娘景清は日向嶋が断然いいですね
千歳太夫渾身の語り最高。
玉男さん滝汗で景清の悔しさを表現
簑助さんの糸滝は相変わらず
見えるはずのない涙や口元の
ひきつりまで見えてくる。
引き込まれました。
もうひとつの演目は
艶姿女舞衣。
「今頃は、半七っつあん」が
有名なアレです。
床で秀逸だったのは津駒太夫に
藤蔵さんの三味線。
最近の藤蔵さんはダイナミックで
見せ場作るの上手くて
惹き付けオーラがすごい。
この話は心中ものですが、
男の妻への言い分が
「結婚する前からの深い仲の
女との間には子までなしたのだから
それはもう裏切れない、
妻とは来世で本当の夫婦になれたら
いいなと思う」
ってどうなの?
来世は他の女と夫婦になろうと
言っている男とこれから
心中しようっていう女の
立場がないのでは···
しかもこの男
人まで殺しているんです。
自分の両親に残した言葉が
「自分は殺人罪だし死ぬしかないけど
妻ではない女に生ませた子供を
自分と思って育ててください」
です。
文楽の心中は美しいものですが
冷静に分析すると
これほど人をバカにした
男もいないだろうという
主人公のクズっぷり。
こんなひどい話が
大変に面白い。
それが文楽。
今月も堪能しました。
DJ KAZURU
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