「私はスカーレット」
林真理子 著
拝読。
権利が切れたことで
「風と共に去りぬ」の新訳が
ラッシュみたいですが、この
林真理子版が面白い。
先日、翻訳家の
鴻巣 友季子さんが「風と共に去りぬ」
の解説を聞いていて改めて
このストーリーの面白さに
気がつきましたが、本当に
心ときめく若い女性の
成長物語なんですよねえ。
林真理子版はかなり
文体にエッジがきいていて
小気味良いです。
「私が大嫌いなもの
それは考えることと、焦らされること」
と言ってたったひとり
自分に振り向かない男に
告白して撃沈。
自分の華やかさに自信満々だから
「どうやったら私みたいに
なれるかですって?
もうお母さんのお腹にいるときから
違うんだから仕方ないんじゃないの」
と、他の女性のことなど気にしない。
一巻目では当て馬の男と結婚
夫の戦死、出産を経て
南北戦争真っ只中の
アトランタへ移住したところまで。
来春から続々刊行されるようです。
林真理子は序文で
「最近の若い人が恋愛や
結婚をしないのは
恋愛小説を読まないから」
と言ってますが、本当にそう。
多分、この翻訳は
ぐっと若い人にも読んでもらうために
非常に平易な表現に
徹していると思われます。
考えてみれば
まだ恋愛というものが
遠い年齢だった頃から
スカーレットの強い生き方と
恋愛を経験してきました。
こういうことって
とても大事なことだったのね。
「いいえ、逃げるものか
ここで逃げたら、みんなは
私のことを
かっこうの噂に種にするだろう。
ここに残って
すべての男を虜にして
皆をうちのめしてみせる。
私に意地の悪いことを言った
あの女たちを」
DJ KAZURU
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