
草花たちの静かな誓い
宮本輝 著、拝読。
この作者らしい
品のよい文章をたっぷり
味わえました。
誘拐されたはずの少女の謎
莫大な遺産の使い道
信頼をいかに育むか
祈りを込め丁寧に作られた料理···
さまざまな問いかけが
この小説にはあり、どれもが
じわりじわり考えさせられること。
主人公の叔母は
かけがえのない宝物の
幸せを願うように
美しい庭を作っていますが
そこの描写がまた見事です。
そして、宮本輝といえば
作中で「手紙」を効果的に使う人ですが
今回も出てきます。
誰にも知られてはならない
慈しむべき内容の手紙を
焼き捨てることができずに
からくり箱へ忍ばせておく。
そんな
心情が身につまされます。
DJ KAZURU
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