竹宮恵子の「風と木の詩」といえば
少女漫画の金字塔にして
少年同士の同性愛を扱った
衝撃的に美しい漫画。
主人公ジルベールの悪魔的な
キャラクターは魅惑的。
私も小学生の頃からはまって
読んでおりました。
今考えると
ベッドシーンもふんだんにあったので
よく少女雑誌で連載できたものだな
と、思うのですが
そこに至る経緯が明かされています。
竹宮氏は田舎の生まれで
特に外国文化が身近ということは
ないのですが、デビュー当時に
知り合った東京の音大浪人生が
少女コミックの「見巧者」であり
ヨーロッパ映画、絵画音楽の
知識がすさまじかったことが
影響を与えたようです。
何せ1970年代前半ですから
映画館でかかるチャンス、美術展で
展示される機会を逃したら
それらの作品は見られないし
音楽はレコードで入手するわけです。
ヨーロッパ芸術への渇望。
少女漫画で改革をするんだという
強い願い。
同時代に活躍した萩尾望都とは
同居をし、先輩の山岸涼子を誘い
皆でソ連·ヨーロッパ旅行を
決行したとは、メンバーの濃さに
くらくらしそうです。
対比すると、今の時代は
外国の情報も瞬時に手に入りますし
吸収する機会はふんだんにあるわけです。
なのに70年代の竹宮恵子ほど
フランスの寄宿舎の空気を
描けた人はいない! と
思います。
彼女たちの情熱と努力と
圧力に負けずに突き進んだ
強さには拍手が送られるべきです。
DJ KAZURU
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