「着せる女」
内澤旬子 著、拝読。
私は男性のスーツ姿が好きで
日本人なら赤峰幸生なような着こなしに
感銘を受けるのですが、本当に
日本人は肩も胸も合っていないスーツを
着ている男性が多い。
著者はわたくしと同様の
考えを持つだけでなく、実際に
身近な編集者など男性に同行して
その人に似合う一着を探すのです。
とはいえ、ここもわたくしと同様なのですが
「似合う」「似合わない」を感じても
どこをどうすればその男性に
ぴったりのスーツにたどり着けるのか
ノウハウがあるわけではない、そこで
バーニーズニューヨーク銀座の
スタッフの手を借りることになります。
結果は見事なもので
色々なメーカーの中から
それぞれの体型、雰囲気に合う
スーツ、シャツ、ネクタイが選ばれ
フィッティングが行われます。
ここまでの工程をすべての
日本の男性がやれたならば、街並みでの
見映えというものは格段に
あがるでしょう···
というわけで、周囲の男性群を
見事なスーツスタイルに
仕上げたところで、著者自身の
スタイリングが始まるのですが
彼女も、自分が何を着れば
自分の求める印象の自分が演出できるのか
全く分かっていないということ。
つまり、人とは
「お洒落番長」でなくとも
他人の服装の違和感を察知し
「残念な印象」を抱くものなのです。
たかが服、といって
フィットしないスーツを着ている人は
自分の良いところも悪いところも
認識できずに年を取ってしまった人のように
感じる···実際はそうでない
充実した人生だったとしても
そう見えるのです。
だから私も著者も
「みんな自分に合うスーツを着て!」
と、思うのでしょう。
DJ KAZURU
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