朝井まかて 著
「輪舞曲」拝読。
朝井まかてといえば、葛飾北斎の娘
を描いた「眩」や、幕末に
お茶を海外に輸出した大浦慶を描いた
「グッドバイ」が素晴らしく良かったです。
特異な才をもつ女性の一生を描くことが
上手いのですね。
今回は全く知らなかったけど
30才になろうと言うときに
突然、新劇の女優として活躍しはじめた
伊澤蘭闍のものがたり。
時代で言うと、松井須磨子と
杉村春子の間くらい、東山千栄子とかが
同世代のようです。
蘭闍の恋人、息子、パトロンが
作家、実業家、弁士、と実際にも
有名な人が多いのですが
彼らの目を通した女性像が
魅力的に書かれています。
40才で突然死だそうですが
もう少し長生きしていれば
老女の役であっても様々な映画に
出演したかもしれないですね。
いつの時代も
胸にたぎる思いを閉じ込めずに
爆発させた女性はいたのです。
···
伊澤蘭闍の一生は美しい闘争であったと
捉える文章もある。
闘争でない人生などあろうか。
···
DJ KAZURU
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