徳田秋声 著
「あらくれ」拝読。
徳田秋声って読んだことなかった
···なぜ今まで未読だったのかという
くらい気に入りました。
大正4年初出の小説ですが
日露戦争の足音を感じるくらいの時代が
背景です。
実の親になぜかうとまれ
養子にだされたところから
主人公「お島」の人生はうまくゆかず
納得のいく結婚もできず
一緒に商売を頑張ろうと決意した
男もまた浮気性で仕事も遅いという
なんか上手くいかない、そんな
女の半世紀ですが
読んでて独特のドライヴ感があり
面白かったのです。
商売に精を出し、営業がなかなか
上手なので、現代だったらどうにか
ひとりで身をたてることが出来る人では
ないかと思うのですが、なにせ
明治後期の女性ですから
男性が一緒でなければ
なにも始まらないのです。
汗するわりにお金は思うように
稼げない。
「女」としての自分も
まったく満たされない。
それでもお島はくじけず
立派なウエストをコルセットで
締め上げ洋装に身を包み
自転車の乗り方を覚え
営業に奔走し、へこたれることを
知りません。
徳田秋声という
男の作家がこれを書いたのですよね
面白いものですね。
DJ KAZURU
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