「メイドの手帖ー最低賃金でトイレを掃除し書くことで自らを救ったシングルマザーの物語」
ステファニー ランド 著、拝読。
村井理子さんの翻訳は
「ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室」
を読んでいるので、その流れで
手に取りました。
(まったく余談だけどNYのラテンシンガー
ヨーコロドリゲスとの会話のなかで
面白い友達、として村井理子さんは
彼女の話によく登場してました)。
頼れる人のいないシングルマザーが
清掃の仕事で何とか身をたてていくのですが
私は貧困事情というものに
疎かった···と思い知らされました。
まず、子供の父親が出産に
反対だったため協力的ではない。
父親もお金がないから10ドルも
頼れない。
母親は再婚相手との生活に必死で
娘を省みない。
頼れるのは政府が指定した
住居だけれど
カビだらけのアパートで娘が
鼻炎と中耳炎に悩まされ、自分も
咳が止まらない。
フードチケットをもらえても
レジ係が大きな声でそれを言うので
買い物の度に人の視線が突き刺さる。
清掃の仕事は仕事場所までの
ガソリンは自分持ちであり
常に腰痛や手の痛みで
イブプロフェインを規定量以上
服用するしかない。
娘を病院につれていけば
お金がかかる上に、収入もなくなる。
彼女は数年このような生活をし
大学を卒業して、物書きとして認められ
貧困から抜け出すわけだけど
そうはいかない人が多いでしょうね。
清掃の仕事というのは
人の汚物を処理する仕事であり
誇りなんか持てないということ。
なのにアメリカではトイレ掃除は
外注するものとなっていることが
分かりました、日本とは
違いますね。
でも、
貧困のため政府の補助を受けている人は
楽しいこと、着飾ることなんか
してはいけないと世間が思っている、
というのは
日本も同じですよね。
誰もがそういう状況に
なることはあるだろうと思うのに
シングルマザーで貧困なのは
本人に落ち度があるからだ、という
発想になるのはどうしてなのでしょう。
DJ KAZURU
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