飛田残月
黒岩重吾 著拝読。
好きなシリーズ、たぶん三作目。
大阪飛田周辺の
どうしようもないダークな
世界の短編集です。
なんで、そうなっちゃったかなあ···
と悲しくなるような転落しちゃった
男女の話が多いのですが
人間くさいことこの上ない
やり取りに惹かれます。
こんなに悲しいのに
なぜもっと知りたくなるのでしょう。
わたくしも大阪在住歴があるので
ある種の魔界というか
異空間のような飛田周辺を
見たことはあります。
もちろん小説内の時代とは
かけ離れていますが
自分が踏みいるべきではない
場所だな、という
印象で、申し訳ないような気持ちでした。
小説のなかでなら
飛田でもどこへでも行って
その世界に存分に浸れるのですけれど。
黒岩氏は、戦後数年間
この地で暮らし、色々な人を
見てきたことで、この小説たちが
完成に至ったようです。
それは強烈な体験だったに
違いありません。
DJ KAZURU
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