2000年のブッカー賞作家
マーガレット·アトウッドの
「侍女の物語」拝読。
1985年に出版された
カナダの作家による
「もしもこんな未来が来たら」という
恐ろしい小説です。
2000年を迎える前にすでに
某国は、化学薬品、放射能
また、汚染された海水により
人間は妊娠することが難しくなっている。
それは
水俣病とチェルノブイリ放射能漏れと
HIV蔓延が一気に来ているような
状態で、政府は策として
すべての女性の権利を取り上げ
妊娠できる女性は上級国民の
「侍女」として妊娠するためだけの
存在にされている。
どうもそれは
ある日大統領が暗殺され
国会が機銃掃射の的になり
軍隊が生命を発表した日かららしい。
貨幣はすべてマイナンバーのように
なっていたのであっという間に
そうなったのだそう。
妊娠できない女性は有害物質の
駆除をさせられてるらしいけど
真実のところは分からない。
本を読むこと、文字を書くこと
私語は徹底して禁止される
華氏451を彷彿とさせる
管理社会で監視社会。
刃向かうことがあれば、速やかな
処刑が待っている。
仕事をもち、夫と子供と暮らしていた
女性が、あっという間に
そうなっていた、という
手記の形式で綴られる物語は
背筋も凍ります。
男の方も生殖能力が落ちているのは
同じなのだから
「侍女」も妊娠しにくい、どうやっても
どん詰まり···
何が恐ろしいかって
うっかりすると自分の住んでる国も
こうなる可能性があるんじゃないか
せいぜいその何歩手前なのじゃないかと
感じてしまうこと。
どう見ても作り話、なのに
妙なリアリティーがあるのです。
DJ KAZURU
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