石岡瑛子展@東京都現代美術館。
ファッション通信で
展示の一部を紹介したのを
拝見しまして、これは何がなんでも
馳せ参じなければと思いました。
今回の美術展はとにかく
ボリュウムがすごいので
こちらも受けとめきれない熱量。
広告デザインも
雑誌の表紙も
映画やオペラの衣装も
もう何もかもが
圧倒的。
女性シンガー、グレイスジョーンズのステージ衣装の
コーナーを見れば、レディガガの新しさなんて
特に新しくもなんともないことが分かります。
昭和13年生まれの日本人石岡瑛子の
命を吹き込んだような
衣装デザインの美しさと強さには
ひれ伏すしかありません。
新しいというと、いつかは
古びてきそうですが
石岡瑛子は自分でも言っているように
「タイムレス」なのです。
時代を越えて感動と驚きを
見せてくれる、もう
なんていう芸術家でしょう。
三島由紀夫へのオマージュで作られた
1885年の映画には
八十助時代の故、三津五郎さんも
出演されており、ダイジェストを
興味深く見ましたが
幻想的な美術に彩られたこの作品は
遺族とのひと悶着から
日本公開に至らなかったそうで
それも、日本を出て
海外で仕事をしていこうとなった
きっかけだそうです。
色々と日本のシステムに
幻滅するところも大きかったようですが
こうした話を聞くたびに
最高の人材の海外流出をいとも簡単に許す
日本てなんと愚かなんだろうと
情けなくなります。
それはともかく
特に秀逸だったのは着物ベースの
衣装です。
オペラ忠臣蔵のために
作られた着物は古典的な地紋に
大胆な柄がのるという繊細なつくりで
今見ても最高に美しくモダン。
現在着物の業界で、頑張っている若手も
いるのですが、正直デザインの持つ
サイズ感が違いすぎます。
なぜ、石岡瑛子だけがこの境地で
着物のデザインができたのか···。
予約制で人数制限してるとはいえ
美術館へ行くこともためらわれる昨今ですが
これは本当に見ておいて良かったです。
わたくし同様、着物の客も多かったです。
DJ KAZURU
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